マーケティング日和

デジタルマーケティングとキャリアについて。

マーケティングとは、無関心な消費者を振り向かせること。

先日アクセンチュアからなんとも微妙な発表があった。

日本の消費者は「無関心化」している? アクセンチュアが語る衝撃の調査結果とその対処法とは | Web担当者Forum

 これによると、消費者は「無関心化」しているらしい。ふむふむ。しかし社会科学をやっていた人ならひっかかるはずです。

本当に無関心化しているのか?そもそも無関心とは何だろう?と。

今回はデータでロジカルに無関心化を提示したアクセンチュアとは対照的に、文系っぽくつらつらと無関心について検討したい。

無関心とマーケティング

文系マーケターの必須科目に「消費者心理学」というのがあります。
例えば、店の入り口に買い物カゴを置いたほうがよく売れる、客は手の届く範囲のものしか買わない、などは消費者心理学によって明らかになったものです。今では多くのショッピングモールやコンビニで活用されてます。

 

なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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で、そういった学問を紐解くと、そもそも無関心こそ人間のノーマルな状態だということに気づくんです。

客は、教えてあげなければカゴを手に取らないし、手の届かないところにある商品は買わないんです。購買ってそんなもんなんです。

先代のマーケターたちは、無関心な客に関心を持たせることがマーケティングの仕事だと言っています。無関心な客に関心を持たせるために、広告が生まれ、無料サンプルが配布され、割引クーポンが生まれたわけです。
マーケターの仕事を一言で表した、とてもいい言葉があります。

「我々は常に消費者の無関心と戦っている」

これは、任天堂の故岩田社長の言葉です。

 

無関心は消費者の問題じゃない

マーケティングにおいては、人が無関心になってしまうのは「障害」があるからであり、障害を取り除くことがマーケティングの仕事です。

例えば、選挙に対する無関心の問題を考えてみましょう。マーケターに言わせれば、そもそもあれは障害が多すぎるのです。

選挙が近づくと手紙が届きますが、あの時点で障害みたいなもんだと思います。僕はあの案内状をまともに読んだことがありません。

ややこしく、難しく、興味が失せる。「なんかよくわかんない」から選挙に行こうという気になれない。さらに候補者をチェックして、会場に足を運べだなんて!ハードですよね。障害だらけです。

もしもAppleのマーケターがプロデュースしたら、選挙は全然違うかたちになるんじゃないでしょうか。

 

消費者を足止めする障害

さて、アクセンチュアによると、通信、インフラ、金融関係が特に無関心な商材とのことですが、そんなの当たり前なのです。

だって、手続きややこしそうじゃないですか。保険とか複雑すぎるし。インフラなんてカード払いの申し込みだけでも面倒くさい。消費者からすると、あんなのは障害しかないわけです。

むしろ、そうやって客を囲い込むのが企業の戦略です。消費者の無関心、消費者のせいだ、というのは違うかなぁと思います。

 

要するに、消費者の問題じゃなくて売り手の問題だと思うんです。売り手が障害を取り除く努力をすべきだと思うんです。
これすなわちマーケティングなわけです。

 

おわり

長々と書きましたが、無関心化という考えには僕は否定的です。無関心なのは当たり前なのです。消費者の関心を引きつけるようなものを作ろうな。

 

消費社会の神話と構造 新装版

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