マーケティング日和

デジタルマーケティングとキャリアについて。

マーケティング指標の読み方や数字の扱い方についての実務

今回は、割合・比率、数字の真偽、そして相関・因果についてわかりやすい例を交えながら、わかりやすくご紹介したいと思う。

構成比率~現実世界とマーケット

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ある求人サイトでは、女性ユーザーの比率が少ないことが判明した。社内でこれが問題視され、こんな仮説が立てられた:

「女性」マーケットにリーチできていないのかもしれない。

そこで、その求人サイトは新たに予算を編成し、女性向けのキャンペーンを行ったのだった。

 

さて。ここに違和感を覚えた人はマーケターの素質があるかもしれない。

なぜなら、このケースではマーケットを完全に見誤っているからだ。

まず「マーケット」を「人口」と読み違えている。

 

現実人口は男女比が半々だが、マーケットはそうではないのだ。

求人領域に関しては、マーケットはイコール「労働人口」であり、労働人口の中にも「新卒」「中途」「派遣」「パート」など様々な種類がある。

 

さらに、Webマーケティングにおいては人口=ネット人口となる。

例えば、現実世界でシニアの人口が多いからといって、ネットにおいてもシニアのマーケットが大きいとは限らない。

 

KPIに追われると真実が見えなくなる

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同じく求人サイトで女性向けマーケティング施策をやったとしよう。その結果、CVRが3%から5%に伸びたとする。

果たしてこれは良い成果なのだろうか?

答えはYesでもNoでもない。精度を測らなければ、良し悪しは断言できないのだ。

もしかしたら増加分すべて、ターゲット対象外だった、ということもありえる。

 

この考え方はアドキャンペーンにおいても効果を発揮する。

アドテクのターゲティングは完璧ではないから、ターゲティングの精度が70%だとしたら、30%はまったく関係のないユーザーにも広告が配信されていることになる。

 

これは個人的な経験則なのだが、CTRやCVRに追われるようになると、配信数を増やしてターゲティングが緩くなり、無価値なユーザー獲得が増える。

KPI地獄にいる担当者が言う「CVRが上がりました」はアテにならないことが多い。

 

因果関係と相関関係

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物事の原因と結果は簡単には見極められないという話。

 

例えば、ビッグデータが流行っていた頃「おむつとビール」の事例をよく耳にしたと思う。おむつを買う人は一緒にビールを買う傾向がある、というものだ。

だからといって、おむつとビールをセットで売ろう、とは思わないだろう。

 

分析結果の裏側には様々な因子が複雑に連鎖しているのだ。だが現実にはこのような間違った判断が後を絶たない。

 

例えば、Twitterからのリファラル流入(A)が増えたらサイト全体のアクセス数(B)が増えた。としよう。

そこで僕たちはこう考えてしまう:じゃあTwitterに注力しよう!

 

この場合、Twitter(A)とサイト全体(B)のアクセスに相関があるだけだ。

因果(A→B?)については勝手な決めつけをして施策を立てている。

 

相関は因果とまったく別ものであり、AのせいでBなのか、BのせいでAなのかは不明だ。あるいはCがこの現象を引き起こしているかもしれない。

 

先に話したおむつとビールも同じだ。「相関関係」しか見えない状態で、因果関係までは読み取れない。

分析が浅ければ、「ビールを買うと、おむつが欲しくなるのでは?」という仮説に行き着くこともありえる。

 

どんなにビッグデータが進んでも、マーケターは仮説を立てなければいけないだろう。統計的な考え方と、発想力はこれからも必要だと思う。

データサイエンティストの秘密ノート 35の失敗事例と克服法

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